長い間、日本における最大の「土地問題」は「地価の高騰」でした。地価の高騰が問題になる最も大きな原因には、「皆が同じように、土地を持っていない」という現状があります。特に大都市における「住宅問題」は、いまだに深刻です。大都市では半分近くの世帯が、借家住まいで土地を持てない状況にあります。土地の値上がりは、これから家を買おうと思っている人々の住宅取得を困難にします。一方で約3割の土地資産を持つ法人企業や、自宅以外の不動産(賃貸マンションや貸ビルなど)を持つ個人地主は、地価の高騰で不当な利益を得ていると非難されてきました。もし「皆が同じように、一定の土地を持っている」とすれば、たとえ地価が高騰しても、たいした問題にはなりません。そのような状態では、たとえ「地価の高騰」が起きても、それによって「格差」は少しも拡大しないからです。地価の高騰に対しては、固定資産税などの税金が上がることがよく問題にされます。ただそれは一時的なことで、いずれは税収入が増えた市町村か減税するとか、国が地方交付税を減らして所得税などの他の税金を安くするなどの、税の調整がはかられます。しかし何といっても問題なのは、「地価の高騰」によって今現在土地を持っている人と持っていない人の間で、「格差」が拡大することです。1980年代後半のバブル経済期には、土地を値上がり目当てに売買することが「土地ころがし」と呼ばれ、地価高騰の元凶とみなされてきました。土地を商品として売買すること自体を否定して、土地を「商品」にしてよいのか、という声も上がりました。このように「土地問題」を突き詰めていくと結局、「土地をどう国民の間に分配するのか」という問題に突き当たります。どうして土地を持つ人と持たざる人が、生まれてしまったのでしょうか。日本人の、土地所有の「ルーツ」を探ってみたいと思います。
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