地価はすでに東京圏では商業地、住宅地ともに日ごとに値下がりしており、目下、不動産業界の最大の関心事はこれがどこで下げ止まるかということである。都心の商業地、あるいは世田谷あたりの高級住宅地の地価は昨年のピーク時に比べれば平均して30〜40%は値下がりしており、それでもなお買い手がつかない物件も多い。これが今後1年後、2年後にどういう水準に落ち着くかということを的確に予想するのは、それほど容易ではない。というのは、例えば都心の商業地のように昭和60年の初めごろには坪1000万円前後だったものがピーク時には4000万円から5000万円にまで値上がりしたわけであるが、これは半値に下がってもなお坪2500万円という水準になる。このくらい下がればかなり割安にみえるが、それでもなおそれを購入して貸ビルを建てた場合、まったく採算がとれないという事態が生じる。そういう点からみると、場所によっては50%値下がりしてもなお下げ止まらないという可能性がある。したがって、今後都心の再開発等で用地買収が行われても、そこで提示される金額は以前に比べればかなり低いものとなるであろう。そのため、都心で商売をしている人のなかには、いまや一時の地上げブームのときに土地の売却を拒んだことを後悔している人も多い。
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