潜在的なリスク管理債権は、さらに大きい数字になることも推測される。このような厳しい状況になっている背景には、終身雇用制度がすでに崩壊しつつある中で、住宅ローンの貸付期間が三五年までに設定されていて、時代に合わなくなっていることがある。人生設計で、失業、所得の急減など、さまざまなリスクが高まる時代には、むしろ貸付期間の短縮を考えるべきである。世帯主の年齢階級別の貯蓄・負債の現在高を示したものをみると、住宅ローンを組む年代である三〇歳代から四〇歳代までの負担額は多くなっている。特に、近年では三〇歳代の住宅ローンは増加している。頭金ゼロで購入し、すべてを借金で賄うという例も少なくない。余裕のないギリギリの資金計画をしている場合が多いのである。終身雇用制が崩壊した現在、会社員は「人生のリスク」が以前より高まっているという点について、もっと真剣に考えなければならない。失職、所得の急減が珍しくなくなった現在、実家へ戻る例、さらに親との同居、すなわち二世帯住宅へという動きも出てきている。このような現実を見るにつけ、私たちは人生設計の早急な見直しを迫られていることがわかる。日本経済を取り巻く環境の変化から考えても、今後、終身雇用制が崩壊していく動きに変化はなく、高度成長期のような企業文化が復活することなど考えられないからである。
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